コドモの園幼稚園では、子どもたちの良き育ちのためにおうちの方が学びのときを持つことはとても有意義なこととの思いから、長年にわたり年に2回、様々な分野から講師を招き、そのお話に耳を傾ける機会を持つという活動を開催してきました。
本日は2023年度 第2回 母の教室が開催される日です。
普段は子どもたちの賑やかな声が響き渡るホールには長椅子が並べられ、教諭たちをはじめ、母の会委員さん、初穂委員さんが手際よく場を整えていきます。
ホールには、幼稚園に子どもたちを送り届けたおうちの方々、そして卒園生のおうちの方々もお見えになり、長椅子は満席に。今日の母の会の講演がどれだけ楽しみに待たれていたかが伺えます。
やがて始まりの時がきました。子どもたちの良き育ちを願い、また世の平安を願い、そして今日お休みの子どもたち、そのご家庭の健康を願いお祈りを捧げたあと、聖書の一節を朗読します。
読み上げられた『マタイの福音書 11章28節から30節』について、当園とつながりのある教会の牧師が解説をしてくださいました。疲れた人、重荷を負っている人は、それをイエスさまに預けても良いのだというその内容は、毎日育児に奮闘するおうちの方にもあてはまること。いつでも神さまを始め、家族、幼稚園、地域に助けを求めて良いのだということをお話しくださいました。
福音館書店が刊行する「母の友」元編集長であり、絵本研究家であられる勝尾 栄先生をお招きし、”なぜ絵本を読むのでしょうか?” をテーマにお話いただく第2回 母の教室。
ニュージーランドの子育て支援室の壁に貼られていたという『今日』という一編の詩の朗読で始まったひと時は、参加したおうちの方々を暖かく包み込むようなひと時でもありました。
勝尾先生の、まるで昔からの友達のような親しみのある語り口、そして絵本に対するきらきらと輝く眼差しからは、絵本の魅力がほとばしるように伝わってきます。
福音館書店を退社されたのち、大学院に進学され絵本の研究をなさった勝尾先生。絵本とはどんなもの? という仕組みの話から、子ども・絵本・大人の関係、さらになぜ絵本を読むのか、どのように絵本を選んだら良いのかという、私たちが見過ごしていたかもしれない点をとても深くお話ししてくださいました。
本日資料としてお持ちくださった絵本や本は30冊以上! その全てにそれぞれの見どころがあり、その本に纏わるエピソードや先生ご自身のエピソードには共感できるものが多く、おうちの方々は熱心に耳を傾け、レジュメを読み込んだりメモをしたり。目頭を押さえたりふふっと笑ったりと、先生の言葉のひとつ一つがおうちの方に届くのを感じられました。
講演も終盤に差し掛かる時、普段、絵本を読んであげる側のおうちの方々に、『ぐりとぐら』の読み語りを、さらには『あかちゃんがわらうから』の朗読のプレゼントをいただきました。
最後に、絵本を通してのお話だけではなく、絵本を挟んだ育児生活のお話をもお聞かせくださり、先の聖書の一節も交えながら、コドモの園幼稚園のおうちの方々に疲れたら休んでも良いんだよ、という温かいエールを送ってくださいました。
終演後には、先生の周りにはたくさんのおうちの方々の姿が。
残念ながら時間の関係で講演会中に紹介できなかった本を改めて見せてくださったりと、気さくな勝尾先生のお姿を通じ、参加したおうちの方々も絵本の持つ新たな魅力を感じられたに違いありません。
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