コドモの園幼稚園では、子どもたちの良き育ちのためにおうちの方が学びのときを持つことはとても有意義なこととの思いから、長年にわたり年に2回、様々な分野から講師を招き、そのお話に耳を傾ける機会を持つという活動を開催してきました。
本日は2024年度 第2回 母の教室が開催される日です。
秋の飾り付けがなされたコドモの園幼稚園の園舎や園庭では、子どもたちの賑やかな声が響き渡ります。一方ホールには長椅子が並べられ、幼稚園に子どもたちを送り届けたおうちの方々、そして卒園生のおうちの方々もお見えになり、お招きした内田伸子先生の講演の開始を待つ熱気で溢れかえっていました。
子どもたちの良き育ちを願い、また内田先生のお話を聞ける喜びを神さまに感謝したあと、皆で聖書の一節『テサロニケ人への手紙』第一 五章十六節〜十八節までを朗読し、より理解を深められるよう、当園とつながりのある教会の牧師に解説をしてくださいました。
プログラムは進み、発達心理学、言語心理学、認知心理学、保育学を専門分野とされ、お茶の水女子大学名誉教授、IPU・環太平洋大学教授であられる内田伸子先生をお迎えし、”AIに負けない力 〜自発的な遊びを通して非認知能力が育まれる〜”をテーマにお話いただきました。
国を跨いだ綿密な調査と分析、それらに裏付けられた統計をもとに、科学的側面からの切り口を以って「小学校の学力への影響因」「共有型しつけと強制型しつけ」「保育園卒と幼稚園卒の学力差についての検証」「しつけスタイルと語彙能力」「難関校突破組としつけ」など、さまざまな軸・角度からの子どもの非認知能力についての解析を、グラフなどを多用しわかりやすく解説してくださいます。おうちの方々もノートにペンを走らせ、一言も聞き逃すまいとするかのような真剣な眼差しで先生、そしてスクリーン、レジュメを見つめていました。
時代の流れは、時として私たちの生活の質を翻弄してしまいます。「昨今の風潮」という乗りやすい波のおかげで、子育てさえアウトソーシングすることが簡単に選べてしまう時代です。そんな中、我が子を「より質の良い育児」でもっと笑顔にしたいと願うおうちの方々にとって、疑問はいつでもつきまとうもの。講演後にも、内田先生は柔らかな笑顔でおうちの方からの質問に答えてくださいました。
幼稚園から小学校へ進むと宿題が始まり、共有型から強制型のしつけをしてしまいがちに。余裕をもって接したいが難しい。どうすればいいだろうか
戦争のニュースから、武器を模した玩具に子どもが興味を示すように。平和教育はどのようにすればいいだろうか
これまで強制的なしつけをしてきたように思う。もう取り返しはつかないのだろうか
ひとつひとつ、ご自身の体験も交えて丁寧に答えてくださいました。
内田先生より、著書「子どもの見ている世界」、監修書「あいうえおんどく」の2タイトルを、コドモの園幼稚園のマザーズライブラリーへご寄贈いただき、最後にシェル・シルヴァスタイン著、ほんだきんいちろう訳「おおきな木」をおうちの方に向け読み聞かせいただきました。
子育てをする上で、とても大事な情報を分析データを元にお話くださった内田先生は、講演が終わってもたくさんのおうちの方々に囲まれお話をしてくださいました。にこやかにご対応くださった内田先生、本日は貴重なお話をありがとうございました。