桃のぷっくりとした実が、葉っぱの陰から顔を覗かせる時期。コドモの園幼稚園の展示コーナーでは、端午の節句にちなんだももたろうのお話の世界が、ぐぐっと集中して幼稚園全体を窺っているようです。
普段通りに自由遊びで懸命に遊んでいた子どもたちは、やがて保育室へ。
帰りの支度を済ませると、教諭からみんなにお話がありました。
あとで大きな音が鳴りますが、本当の地震ではありません。今日はみんなが避難をする練習をします。おうちの人にとっても練習の日です。いつもと違うけど、大丈夫。みんながどうすれば良いか、これからお話を読みますよ。
いつものように絵本の原っぱへやってきた子どもたちは、教諭に紙芝居や絵本を読んでもらいました。教諭が読んだのは、どれも防災に関する内容。災害が起こったら? 頭を守る方法や、先生のお話を聞く方法。年齢に合った内容で、「もしもの時」のお話を聞かせてくれました。
ちょうど読み終わった頃、サイレンの音が、続いて園長の声で「地震発生」のアナウンスが!
教諭たちが一斉に動きます。子どもたちを机のしたへ誘導しながらも、ヘルメットを被り、避難経路の確保。きびきびとした動きに、子どもたちもお口にチャックでさっとダンゴムシのポーズをとります。
やがて、再び園長の声でアナウンスが。揺れはおさまりましたがまたいつ大きな揺れがくるかわかりません。静かに園庭に避難しましょう。
防災頭巾を自分でとりだし、頭に被って保育室から出ます。
年少さんは園庭に面したドアから、年長さんは滑り台を使って砂場のある園庭へ。年中さんは非常口からプールのある園庭へ素早く移動します。
教諭は園児の数を数え報告をし、ほかの教諭たちと連携を取ります。
ひと段落ついた頃、園長からお話がありました。
地震だよというお話を聞いていなかったら、どこに逃げたら良いか、どう動いたら良いか、どうしていいかわからなくなっちゃうよね。だからお話を聞くという事は大切なんだよ。
逃げる時は上履きで。大事なものがあっても置いてきてね。
早く逃げなきゃと思って、お友達のことを押しても良いかな?お友達が転んじゃうよね。早く逃げるのは大事なこと。でも押してはいけないよ。
そんなお話をしているうちに、おうちの方がお迎えに来てくださいました。
本当に甚大な被害が出るような大きな地震があれば、私たちは冷静でいられないかもしれません。また、この機に乗じて何が起こるかわかりません。コドモの園幼稚園では、このような気が動転している中でも安全に確実に引き渡せるよう、見知った間柄であっても、事前にいただいた情報と照らし合わせてお引き渡しをします。
今日は練習の日だから、防災頭巾を被ったまま帰宅してみましょう。いつもと違う今日だから、おうちの人と今日どんな事をしたか、お話してみてね。